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おむつ外れのよくある疑問に
保育の専門家が答えます。

國學院大學教授
塩谷香先生

國學院大學人間開発学部 人間開発学部 子ども支援学科教授。専門は保育学で、特に乳児保育、子育て支援を研究。
~塩谷先生より~
おむつ外れは思ったように進まないものです。Webで他の家庭の様子を見たり、先生に園でのやり方を聞いたり、周りの友だちに聞いたり。一人で悩みを抱え込まずにやっていきましょう。

おむつ外れ開始時期の目安ってありますか?

個人差が多いですが、目安は2~2歳半です。
以下のような様子が見えたら、「ママやパパは、おしっこやうんちをトイレでするんだよ」「●●ちゃんも、座ってみようか」など少しずつトイレを意識させるとよいでしょう。

  • 目安①おしっこの間隔があく
    赤ちゃんの頃は尿意を感じず、自然におしっこが出ています。成長するにつれて、少しずつおしっこが貯められるようになると尿意も感じるようになり、「トイレに行きたい」という感覚がわかるようになります。
  • 目安②排泄のリズムが決まってきている
    トイレに行きたい気持ちや、トイレでできた達成感を味わうには、子どもがトイレに行きたいタイミングに合わせて誘うのが大切。排泄のリズムが決まってくると、おうちのかたも声をかけやすいです。
  • 目安③言葉のやり取りができる
    子どもから発語がなくても「トイレに行こう」などこちらからの呼びかけを理解できていれば大丈夫です。
焦っておむつ外れをしなくてもよい?

おむつ外れのタイミングはお子さんによるので、焦ったり、無理にさせる必要はありません。

ただ、トイレで排泄することはお子さんにとって大きな挑戦。
不安定な便座に座ることだったり、身体から何かが出る感覚だったり、最初のうちは不安もあります。

年齢を重ねるほど不安も大きくなるので、トイレに興味をもった様子が見られたら、おむつ外れに挑戦してみるのがよいです。

園でやってくれるが、家庭でもやったほうがいい?

園ではできるのに、家庭では嫌がるお子さんもいらっしゃいますよね。
トイレの自立は「もうおにいちゃん/おねえちゃんなんだ」という自信にもなるので、本当はトイレでできるのに、家ではおむつのままなのはもったいないです。

「園でできるのに家庭ではできない」というかたは、園でのやり方(誘い方や誘う時間など)を聞いて、家庭でも同じやり方をしてみるとよいですよ。

園では行けているのに、家庭でできない。

園で行けているなら本当はもうトイレでできるはず。園には「友達が行くから」「トイレの時間だから」などきっかけがありますが、家庭だとそれがないので、嫌がっているのかもしれません。

  • 対策①「ママ/パパもいくから、一緒に行こう」と誘う
    大人がやっていることを一緒にできるのはうれしいので、「自分も行く」となりやすいです。
  • 対策②「トイレのあとも遊べるよ」と伝えて安心させる
    子どもにとって、夢中になっている遊びを中断してトイレに行くのは難しいこと。
    中断したら「遊べなくなるのでは?おもちゃがとられるのでは?」と不安になります。
    トイレいった後にもできるように、持っててあげるね、と声かけをすると行く場合もあります。
トイレに誘いすぎて、嫌になっちゃいそうで心配

誘いすぎて、トイレを嫌がってしまうと、心配ですよね。
そういうときは、タイミングを絞って声をかけるのがおすすめです。

おすすめは、おうちのかたが、トイレに行くタイミング。
「ママはトイレに行くけど、●●ちゃんは?」など声をかけると、「ママが行くから、自分も行こう」と思ってもらいやすいです。

2歳半~3歳頃になるとじょじょに見通しも立つようになるので、「これからお出かけだから、ママはトイレに行くよ。●●ちゃんは?」「ごはんの途中でおしっこにいきたくなったら嫌だから、パパは行くけど、どうかな?」など理由も伝えると、「お出かけ前にはトイレに行っておいたほうがいいのか」など、だんだんわかるようになってきます。

出る前に教えてくれないのはなんで?

いきなり「出る前に教えてくれる」のは難しく、出た後に教えてくれる⇒出る前に教えてくれる の2ステップです。

  • ■出た後に教えてくれない
    おむつが快適で、出た感覚がわからないのかもしれません。
    排泄のリズムがつかめてきて、間隔があくようになったら思い切ってパンツで過ごしてみて、濡れた感覚を知るとよいです。
    濡れたら「濡れちゃったね、今度は出る前に教えてくれるかな?」とお願いしてみましょう。
    すぐにはできませんが、何度か失敗を繰り返しているうちに出る前にトイレに行こうという行動になってくると思います。
    失敗しても叱ったりせず、今度は頑張ろうね!と励ましてあげてください。
  • ■出る前に教えてくれない
    おしっこがたまってあふれるギリギリの感じがわからなくて、教えられないのかもしれません。
    あっちこっち行ったり、お腹を触っていたり、など動作があれば、「トイレ行きたいんじゃない?」と声をかけてみましょう。

どちらの場合も、「おしっこが出たって教えてくれたね、えらいね!」「トイレにいけたね、すごいね!」など、思いっきりほめてあげると「こうしたら、ママパパが喜んでくれるんだ。次もやろう」と次につながりやすいです。

外出の時は心配なのでついオムツに。これって子どもが混乱しちゃう?

子どもに「お出かけなんだけど、教えてくれるかな、どうかな」と相談してください。
小さい子でも自分で選択することが大事です。

パンツがいいと言われた場合には、できるだけその意思を尊重した方がいいですが、どうしても心配な場合には、パンツの上にオムツをはくのも1つの手。
ただ、その場合にも、「パンツがいい」というお子さんの気持ちを尊重して、「お買い物中に声をかけられるか心配だから、念のためにパンツの上にオムツをはこうね。出たくなったら教えてね」と事情をお子さんに話しておくといいですね。

いつのタイミングでパンツに切り替えたらいいでしょうか?

おしっこがたくさんに出た後がおすすめです。
例えば、2時間くらい昼寝のあと、オムツがぬれてないと、たくさんに出ることが多いです。たくさん出たら、パンツにしてみようかと聞いてみて、その後はパンツで過ごすのがおすすめです。

おむつ卒業したと思ったのに、逆戻り。これってよくあること?

卒業したと思ったのに…と残念な気持ちもありますが、よくあることなので心配しないでください。
発達はずっと右肩上がりではなく、階段のように停滞する時期もあります。
またできるようになるので、安心してください。

おうちのかたもガッカリしたり責めたりせずに、明るく受け止めて「今度は教えてね」「今度はこうしてね」と伝えてください。

うんちだけできない。何か対策はありますか?

うんちだからと特別に考えず、おしっこと同様「うんちしたい」という感覚をつかんで、その時間に座らせることが大事です。
おしっこよりうんちのほうが、兆候をつかみやすいですよね。
園ではうんちをしないことも多いので、家庭での働きかけが重要になります。

また、「いきむ」ことがうまくできていないようなら、いきみやすい環境をつくるのも大事です。
・腹筋をつけるような外遊びで日中身体を思い切り動かす(腸の働きが活性化される)
・踏ん張り方をオマルで覚えさせてからトイレでさせるようにしてみるのも手
・便座の横に踏み台をつくって、足が届くようにすると、お腹に力が入りやすい(いきみやすい)

このまま冬になってしまいそうで心配。やっぱり夏の間のほうがいいんですか?

夏は汗をかくのでおしっこの間隔が長くなったり、洋服も自分で脱ぎ着しやすくてすぐにトイレに行けるという利点があります。
一方冬は、汗が出ないからこそおしっこの頻度が上がったり、おしっこたまった感じをたくさん感じやすいという利点もあります。
どうしても洋服が多く、脱いでいる間に出てしまうこともあるので、子どもが自分で脱ぎ着しやすい服を着せておくといいですよ。

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