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『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』著者に聞く!子どもの叱り方と思考力の伸ばし方

『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』著者に聞く!子どもの叱り方と思考力の伸ばし方

 「今日は叱りすぎたかな…」、「もっと話を聞いてあげればよかったかな…」など、子どもの寝顔を見ながら、落ち込んだり、不安になったり…。子育ては悩んだり、迷ったりの連続ですよね。小児科医として36年間、たくさんの親子をみてきた高橋先生に、子育ての悩みから、これからを生きる子どもたちの「思考力」の伸ばし方まで、お話をうかがいました。

話をする高橋孝雄先生

いい叱り方と悪い叱り方
違いは「何をみているか」

―子育ての悩みとして、子どもの「叱り方」が難しい、と感じるおうちのかたが多いようです。

 まず前提として、たくさんのかたが、叱り方がわからないと悩んでいらっしゃるということであれば、そのように悩むこと自体を、「当たり前の悩み」として安心して受け入れることだと思います。「これでいいのかな?」と悩んで考えていること自体、親としては合格だと思います。また、叱ってしまったあと、「言い過ぎたな…」と思う気持ちは、必ず子どもに伝わっています。
ぼくは、後悔の気持ちほど温かい愛情はないと思っています。そのままで大丈夫ですよ。

 

 反対に悪い叱り方とは「無関心」に基づく叱りです。子ども本人ではなく、成績や記録など、「子どもの成果」に関心が集中し、それを成し遂げようとがんばっている子どもへの関心がない、薄れている状態はよくありません。それは子ども自身を見ていないからです。

 

 失敗しても成功しても、「よかったね」と言えることが、子どものうちは特に大事だと思います。生まれた瞬間は、子ども自身の自己肯定感、つまり「ぼくは、わたしは、生まれてきてよかった!」という感覚は、きっと100%なのだと思います。おうちのかたも、「この子が生まれてくれてよかった」と思ったはずです。
その感覚を目減りさせないことが、子育てにおいては重要なのではないでしょうか。子ども自身を否定せず、「頑張ったね」とまずはほめてあげる。そういうコミュニケーションが子育てにおいては大事だと思います。おおげさにほめなくても、おうちのかたが「やったー!」と一緒に喜ぶだけ、結果はともかく「これでよかったんだよ」と納得するだけでもいい。きっと、子どもはうれしくて、ほっとして、また頑張れると思います。

―2歳前後の「イヤイヤ期」のお子さまとの接し方が難しいという声もあります。

 2歳も過ぎれば、「自分の意思が受け入れられる」、「意見が通る」という体験を通して、「自分」という存在を意識するようになり、人生を謳歌し始める時期です。また、子どもは「イヤ!」と言っているのではなく、「話がある」と言っているのだと思うのです。だから、「イヤイヤ期が大変…」と悩みすぎずに、子どもと自己主張をぶつけ合っているのだと、子どもと本当の意味で向き合う時期に入ったのだと思ってはいかがでしょうか。

 

 そうは言っても、「ダメなものはダメ」なときもあると思います。そんなときは子どもの気持ちにいったん寄り添い、あなた自身の言葉に翻訳、つまり「リフレーズ(言い換え)」してみるのはどうでしょうか。
「お友だちがもっているからあなたも欲しいんだね」「この間とは色が違うからこっちも欲しいんだね」など。

 

 子どもが言わんとしている主張を大人の言葉にして代弁してあげる。そうすることで、その場ではダメだったとしても、子どもは自分の主張が通じたことに満足します。また、自分自身もそういった態度で相手に接することができるようになり、相手の気持ちに寄り添う力「共感力」が育ちます。

子どもの思考力は「想像力」が必要
実体験と擬似体験の積み重ねでみがける

―これから先、子どもたちが生きる未来は、「AI(人工知能)」などが進歩し、機械でできる仕事は機械に任せ、人間はメリットをより良く活用するためのしくみやルールを考えるなど、高度な「思考力」が求められる時代になると言われています。

 数学の問題を解く力、相手に合わせて話を展開する力…思考力といっても大人にとってはいろいろな場面で発揮される多彩な力があります。一方、子どもにとって「一番大事な思考力」とはなんでしょう。ぼくは、「想像力」なのかなとおもいます。

 

 たとえば「おままごと」。キッチンのおままごとセットで、火をつけるまねっこ遊びをしているとします。フライパンのおもちゃをもって、「あちちっ!」とやる。これは、おままごとの経験(疑似体験)しかない子どもにはできるはずのない行動です。おうちのかたが料理しているところをじっと見ていたり、熱いフライパンにさわって、実際に痛い目にあった経験(実体験)があるからこそ、それを擬似体験で再現することがおもしろくなるのです。

 

 実体験を積み重ね、想像力が育ってきた段階で、擬似体験を積むのが「思考力」を育むのには効果的だと思います。

 

―いかがでしたでしょうか?

 

 高橋先生には「子どもとの向き合い方」から、「思考力の育み方」までおうかがいました。

 

 <こどもちゃれんじ>でも、お子さまの思考力を伸ばす学びを教材としてお届けしています。たとえば、年少さん向け<ほっぷ>講座4月号では「ちゃれんじえんごっこセット」をお届け。園での様子を手元で再現遊びをしながら、入園前には園生活をイメージしたり、入園後は、園での生活を「ちゃれんじえんごっこセット」で再現することで、実体験を振り返ることができます。

 

教材で遊ぶ子ども

 ぜひ一度、<こどもちゃれんじ>の教材もご覧いただけましたら幸いです。

 

<こどもちゃれんじ>はコチラ
https://shimajiro.benesse.ne.jp/

お話を伺った人

高橋 孝雄 先生

慶應義塾大学医学部小児科教授。医学博士。
専門は小児科一般と小児神経。日本小児科学会会長。1957年、8月生まれ。
1982年慶應義塾大学医学部卒業。1988年から米国マサチューセッツ総合病院小児神経科に勤務、ハーバード大学医学部の神経学講師も勤める。1994年帰国し、慶應義塾大学小児科で、医師、教授として活躍している。趣味はランニング。マラソンのベスト記録は2016年の東京マラソンで3時間7分。別名‟日本一足の速い小児科教授″。
著書に『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』

書影

『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』著者に聞く!子どもの叱り方と思考力の伸ばし方

 「今日は叱りすぎたかな…」、「もっと話を聞いてあげればよかったかな…」など、子どもの寝顔を見ながら、落ち込んだり、不安になったり…。子育ては悩んだり、迷ったりの連続ですよね。小児科医として36年間、たくさんの親子をみてきた高橋先生に、子育ての悩みから、これからを生きる子どもたちの「思考力」の伸ばし方まで、お話をうかがいました。

話をする高橋孝雄先生

いい叱り方と悪い叱り方 違いは「何をみているか」

― 子育ての悩みとして、子どもの「叱り方」が難しい、と感じるおうちのかたが多いようです。

 まず前提として、たくさんのかたが、叱り方がわからないと悩んでいらっしゃるということであれば、そのように悩むこと自体を、「当たり前の悩み」として安心して受け入れることだと思います。「これでいいのかな?」と悩んで考えていること自体、親としては合格だと思います。また、叱ってしまったあと、「言い過ぎたな…」と思う気持ちは、必ず子どもに伝わっています。
ぼくは、後悔の気持ちほど温かい愛情はないと思っています。そのままで大丈夫ですよ。

 反対に悪い叱り方とは「無関心」に基づく叱りです。子ども本人ではなく、成績や記録など、「子どもの成果」に関心が集中し、それを成し遂げようとがんばっている子どもへの関心がない、薄れている状態はよくありません。それは子ども自身を見ていないからです。

 失敗しても成功しても、「よかったね」と言えることが、子どものうちは特に大事だと思います。生まれた瞬間は、子ども自身の自己肯定感、つまり「ぼくは、わたしは、生まれてきてよかった!」という感覚は、きっと100%なのだと思います。おうちのかたも、「この子が生まれてくれてよかった」と思ったはずです。
その感覚を目減りさせないことが、子育てにおいては重要なのではないでしょうか。子ども自身を否定せず、「頑張ったね」とまずはほめてあげる。そういうコミュニケーションが子育てにおいては大事だと思います。おおげさにほめなくても、おうちのかたが「やったー!」と一緒に喜ぶだけ、結果はともかく「これでよかったんだよ」と納得するだけでもいい。きっと、子どもはうれしくて、ほっとして、また頑張れると思います。

― 2歳前後の「イヤイヤ期」のお子さまとの接し方が難しいという声もあります。

 2歳も過ぎれば、「自分の意思が受け入れられる」、「意見が通る」という体験を通して、「自分」という存在を意識するようになり、人生を謳歌し始める時期です。また、子どもは「イヤ!」と言っているのではなく、「話がある」と言っているのだと思うのです。だから、「イヤイヤ期が大変…」と悩みすぎずに、子どもと自己主張をぶつけ合っているのだと、子どもと本当の意味で向き合う時期に入ったのだと思ってはいかがでしょうか。

 そうは言っても、「ダメなものはダメ」なときもあると思います。そんなときは子どもの気持ちにいったん寄り添い、あなた自身の言葉に翻訳、つまり「リフレーズ(言い換え)」してみるのはどうでしょうか。
「お友だちがもっているからあなたも欲しいんだね」「この間とは色が違うからこっちも欲しいんだね」など。

 子どもが言わんとしている主張を大人の言葉にして代弁してあげる。そうすることで、その場ではダメだったとしても、子どもは自分の主張が通じたことに満足します。また、自分自身もそういった態度で相手に接することができるようになり、相手の気持ちに寄り添う力「共感力」が育ちます。

子どもの思考力は「想像力」が必要 実体験と擬似体験の積み重ねでみがける

― これから先、子どもたちが生きる未来は、「AI(人工知能)」などが進歩し、機械でできる仕事は機械に任せ、人間はメリットをより良く活用するためのしくみやルールを考えるなど、高度な「思考力」が求められる時代になると言われています。

 数学の問題を解く力、相手に合わせて話を展開する力…思考力といっても大人にとってはいろいろな場面で発揮される多彩な力があります。一方、子どもにとって「一番大事な思考力」とはなんでしょう。ぼくは、「想像力」なのかなとおもいます。

 たとえば「おままごと」。キッチンのおままごとセットで、火をつけるまねっこ遊びをしているとします。フライパンのおもちゃをもって、「あちちっ!」とやる。これは、おままごとの経験(疑似体験)しかない子どもにはできるはずのない行動です。おうちのかたが料理しているところをじっと見ていたり、熱いフライパンにさわって、実際に痛い目にあった経験(実体験)があるからこそ、それを擬似体験で再現することがおもしろくなるのです。

 実体験を積み重ね、想像力が育ってきた段階で、擬似体験を積むのが「思考力」を育むのには効果的だと思います。

 

―いかがでしたでしょうか?

 高橋先生には「子どもとの向き合い方」から、「思考力の育み方」までおうかがいました。

 <こどもちゃれんじ>でも、お子さまの思考力を伸ばす学びを教材としてお届けしています。たとえば、年少さん向け<ほっぷ>講座4月号では「ちゃれんじえんごっこセット」をお届け。園での様子を手元で再現遊びをしながら、入園前には園生活をイメージしたり、入園後は、園での生活を「ちゃれんじえんごっこセット」で再現することで、実体験を振り返ることができます。

教材で遊ぶ子ども

 ぜひ一度、<こどもちゃれんじ>の教材もご覧いただけましたら幸いです。

<こどもちゃれんじ>はコチラ
https://shimajiro.benesse.ne.jp/

お話を伺った人

高橋 孝雄 先生

慶應義塾大学医学部小児科教授。医学博士。
専門は小児科一般と小児神経。日本小児科学会会長。1957年、8月生まれ。
1982年慶應義塾大学医学部卒業。1988年から米国マサチューセッツ総合病院小児神経科に勤務、ハーバード大学医学部の神経学講師も勤める。1994年帰国し、慶應義塾大学小児科で、医師、教授として活躍している。趣味はランニング。マラソンのベスト記録は2016年の東京マラソンで3時間7分。別名‟日本一足の速い小児科教授″。
著書に『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』

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